自動売買では儲からない気がする2022年相場
本記事を執筆している2022年9月末現在、相場は大荒れで「史上最〇値」とか「数十年ぶりの値動き」といったニュースをとても頻繁に見かけます。本当にレアケースなんだっけ?と思うくらい。
そしてトラリピに代表される自動売買、特に為替は、今のような相場に非常に弱いことが段々と明らかになってきました。
- レンジを狭く想定するとすぐにレンジアウトしてしまう
- レンジを広く想定すると大抵のケースでは耐えられるが、レアケースに遭遇すると損切りや追加入金が必要になり、その額が膨大になって運用が破綻する恐れも出てくる
- 損失リスクに対してリワードが少ない。相場は思ったほどリピートしない
今この状況でもうまく行っている方は散見されますが、そういった方々が儲かっている手法に再現性や普遍性があるのか、といった点には注意して情報を読み解く必要があります。
そんな中、想定以上の効力を発揮しているのが以下の記事で紹介している戦略です。
この戦略は最終的な利益率や利益額の向上を目的としていません。上昇原理の働いている株式相場であっても下落が避けられない中、いかに安定的にキャッシュフローを作るか、ということを狙っています。
実績を載せたいところなのですが、毎日のように試行錯誤しており、この戦略の実績だけ抽出して掲載するのが面倒なため載せません。また、実績を掲載してこの戦略の宣伝をする意思もありません。あくまでも、お読みいただいている方にひとつの考え方を提示させていただく目的で執筆しています。
なぜこの戦略が有効だと感じられるのか、少し考え直してみました。
ショート戦略がなぜうまいこといっているように感じるのか?
見出しの通り、この戦略はうまいこといっているように「感じられます」。元の記事でも書いておりますが、この戦略は利益の極大化を狙ってはいません。一体なにがうまくいっているのか?紐解いてみたいと思います。
やっていること
私のショート戦略でやっていることの基本思想は、「ショートでリピート売買をして、ショートのトラップ本数と同量の裁量ロングをホールドする」ということです。グルトレの子本体ショート+サポートロングだけを抜き出しています。
Goodポイント
「普通にロングでリピートした方が良くない?」という声が聞こえてきそうです。が、私としてはこのトレード方法にはユニークな良さがあると考えています。
- レンジおよび下落時の値動きをショートで取りに行くことができ、下落を楽しみに変えることができる
- 下落時にキャッシュフローができることで、安くなった現物を買うことができる
- 暴騰してショートがストップロスに引っかかってもしっかり利益が出る
一方で、下落してしまった場合、普通のロングリピートと同様に含み損に耐えなければならなくなります。特定レートでポジる口数を多くする分、口数の総量が同じ場合のロングトラップと比べると含み損の額が大きくなるデメリットもあります。ですが、ロングの含み損に関してはいつかは解消されるでしょう。それはトレード対象が、プラスサムの原理が働いている株価指数だからです。
考察
原理的にプラスになるような値動きをする指数ですので、最終的な利益率を向上させるためにはホールドしていればよい、という結論は様々な場で語られている通りです。反面、ショートに関してはエントリーをトラップ型で行い、利確もこまめに行ってリピートを狙うようにすることで、エントリーレートを有利にしやすく、結果として損失額を抑えることができます。株式指数におけるショートは原理に逆らったトレードですので、このような慎重なトレードを行うことが大事です。
お気づきかと思いますが、これは我々が行っている株価指数に対するロングリピート売買とは全く逆のアプローチとなっています。株価指数に対して一般的なロングの自動売買を行う場合、損失額は資金面でギリギリのところまで耐えるにも関わらず、利益額は非常に小さくなる設定が主流です。勿論、相場が上向けば儲かることは間違いありませんが、長期間待つのであれば現物の方が良いと考えて自動売買を撤退する方も見受けられます。この方針には私自身も全く異論は無く、だからこそ、現物ではできない/やりづらい、自動売買ならではのトレードを行った方が良いのではないでしょうか。
結局何すればいいの?
このようなやり方が案外うまくいくのかもしれません。
- 明確な方向性が出やすい or 原理的に方向性が決まっている投資対象を選ぶ
- 原理的な方向性に沿う方向でサポートポジションを持つ
- サポートと逆方向のトレードでリピート売買を行う
リピート売買では、明らかな方向性が出やすい投資対象は向かないと言われています。が、出口を想定する意味で方向性の有無は非常に重要ではないかと思います。
おわりに
自動売買は儲からない。ショートは邪道。
こういった声が聞こえてくるように思えます。(個人の感想です)
ですが今我々が遭遇している相場は異常ともいえるほど激しく変動しており、清濁併せ吞む姿勢で対応を考えていかなければ、生き残れなくなってきているかもしれません。
相場は長く生き残っていればいつか勝てると言われます。そして生き残るためには、あらゆる手段を講じてみる必要があるのではないかと思います。この記事がご自身の戦略の幅を広げるための助けになれば、幸いです。