この戦略で期待できること
- 損切りを適切に行うことで、ご自身のリスク許容度に合わせた運用規模に軌道修正することができます
- 相場の動き方次第では、損切を行わずに済む余地を残したまま、運用を継続することができます
- 夜、安眠できるようになるかもしれません。
Ony式 納得できる損切り戦略
この戦略では、読者の方自身の心に問いかける形でリスク許容度を適切に判定し、リスク過多となっている場合の損切り設定の方針を定めることができます。
恐らく、この記事に興味を持ってくださる方は、少なからず強制ロスカットに遭うことを恐怖として感じているのではないでしょうか。さらに、強制ロスカットを回避するにはどこかで損切しなければならないとわかっているが、どのタイミングでどのくらい損切すれば良いか定め切れていないのではないでしょうか?
投資は自己責任、つまりご自身で判断して対応していくしかないのは間違いありません。しかしこの記事を参考情報としてお読みいただくことで、損切りのやり方の例を具体的にご理解いただき、ご自身にあったやり方を模索するきっかけとしていただければ幸いです。
主に対象となる方
- トライオートETF TQQQを運用しているが、想定以上の下落に見舞われ恐怖を抱いている方
- ロスカットレートを0㌦より多少上げて運用している方
- 溢れかえっている情報に溺れ、何を信用すべきか見失いつつある方
やること
以下の流れでご自身に問いかけを行ってください。今回の記事では、ロスカットレートは15㌦の設定を行っており、ロングを損切りすることを仮定して解説しています。なお、執筆時点でトライオートETF TQQQは30ドル台前半、5カ月に渡った下落相場が24㌦台で一旦の底を付けて浮上し始めたか、のように見える場面です。
- あなたはTQQQが現在のレートから何%の確率で上昇 or 下落すると思いますか?わからない場合は、50%の確率で上昇、50%の確率で下落、と考えてみましょう。
- 次に、下落するならどのくらいのレートまで下落すると「感じているか」を考えてみましょう。
どこまで落ちるか…?みんな言ってるし、20㌦くらい?でも20㌦より下もありそう…
20㌦までの下落が7割くらい、それよりさらに落ちる確率が3割くらいと感じてるってことでいい?
うーん…正直わからない…やっぱり半々くらいかな?
じゃぁ、20㌦までの下落が50%くらい、20㌦よりさらに下にいく確率が50%くらいと「感じている」ということでいいかな?
そのくらいだと違和感ないかも
- ①と②を合わせることで、あなたは、TQQQが現在レートよりも上がる確率を50%、20㌦まで下がる確率を25%、20㌦よりも下がる確率を25%と捉えていることがわかりました。言い換えると、あなたは、現在レートから20㌦までのレンジで推移する確率が約25%、20㌦からロスカットレートまでのレンジで推移する確率が約25%と感じている、ということです。
- 現在保有している建玉数を③で確認した通りの比率に分けます。例えば1000口の建玉を保有しているならば、50%:25%:25%=500口:250口:250口です。
- ④で比率分けした通りに各レンジに割り当てる口数を定めます。例えば、現在レート~20㌦までに250口、20㌦からロスカットレートまでに250口を割り振ります。
- ⑤で定めたレンジと口数に従い、損切りトラップを仕掛けます。例えば、現在レート~20㌦までで250口を10等分し、逆指値トラップを仕掛けていきます。現在レートを仮に29㌦とするならば、29㌦を始点として1㌦ごとに逆指値損切りトラップを入れていくイメージです。
そっか、このやり方だとトラリピみたいに損切りをしていくことになるんだね
そう、どこか特定のレートでバツっと損切りできるならそうした方がいいけど、多くの人にとっては難しいと思うんだよね。だから、損切りもトラップ方式でしていったらどうかな?って。
やり方はわかったけど…なにが良くなるの?
この考え方だと、レート推移を「自分が考えている通りに」想定することになるから、想定通りに下落してきてしまっても「あー、やっぱりな」と受け入れられる可能性がある。一方で、レートが中途半端に落ちて反転上昇していくのであれば、必要最低限の損切りしかしなくて済む。
だから「納得できる」損切り戦略なの?
そういうこと。損切りのやり方に正解は無いけど、後悔しにくいやり方はできるんじゃないかと思って。
おわりに
トライオートETF TQQQは、記事執筆現在、近年まれに見る厳しい局面を迎えています。強制ロスカットが執行されてしまうと全ポジションを安値圏で一気に決済されてしまいますが、事前にレート推移をある程度見据え、能動的に損切りを行っていくことで、トータルでのダメージを少しでも軽減できるかもしれません。巨額の含み損と、間近に迫ったロスカットレートを真正面から見つつ冷静に損切りできる方は、さほど多くはありません。この戦略が、損切りの方針が定められず身動きが取れなくなっている方に届き、多少なりともお困りごとを解消できると嬉しいです。